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一般の方へ

日本がん臨床試験支援機構 (Japan Clinical Cancer Research Organization : JACCRO)のホームページにようこそおいで下さいました。JACCROは日本におけるがんの臨床試験を幅広く支援する目的で設立されました。

現在、わが国における死亡原因の第一位は悪性腫瘍(がん)であり、年間約36万人の方ががんで亡くなっています。

近い将来わが国では2人に1人が「がん」で死亡すると予測されています。 がんによる死亡を抑制するためには、早期発見・早期治療が必須と言われていますが、残念ながら進行したがんにかかってしまった場合には、がんの種類、進行度、全身状態、治療法の適応と限界、がんの発育と進展などを考慮した上で、手術・薬物療法・放射線治療・免疫療法・緩和医療などが選択されています。これらの治療法は日々進歩していて、最近ではがん治療の進歩により、がんからの生還 (cancer survivor) も多く見られるようになって来ました。最新でより最適な治療法を開発し、検証するためには臨床試験が必要になります。 臨床試験を繰り返すことで、日本全国で行なわれている標準治療や、ガイドラインで推奨される治療が確立されて来ました。

JACCROは2002年3月に設立されてから今年で15年目に入りました。これまで32件の臨床試験を行い、学会報告を行い、その成果を論文として発表し、一部はガイドライン治療に採択されて来ました。詳しい内容については本ホームページの「臨床試験情報」ならびに「研究業績」に掲載してありますので、是非ご覧下さい。

臨床試験では必ず「比較」が行われています。より良い治療であるかどうかを検証するためには従来の標準的な治療と新しい治療の「比較」が必要だからです。科学的に正しい比較を行なうためには、多くのがんの患者さんの参加が必要になります。例えば、治療の効果・安全性を検証する場合には100例前後、標準治療の確立のためには時として100以上の施設から1,000例以上の患者さんに参加して戴く必要があります。しかしながら、全国にはまだ臨床試験に参加していない第一線の施設が数多くあります。このような施設の参加があってこそ、臨床試験を早くしかも確実な成果で完遂する事ができます。

JACCROでは研究の質を低下させることなく、臨床試験の裾野を広げることを目標に次のような、種々の研究支援を展開しています。

第一に、FLADS Systemとよばれるインターネットを介した研究支援システムを開発いたしました。これは研究実施要綱(研究の目的、方法などを記載した手順書)を忠実にプログラム化し、研究の信頼性を損ねる実施要綱からの逸脱が最小になるような工夫を行い、ほぼすべてのJACCROの臨床研究に導入致しました。また、FLADS Systemの操作や事務的作業の介助要員の育成も行っています。こうして医師、看護師その他の研究協力者と協調して、なるべく正確に臨床試験が進捗できるシステムを開発致しました。このような支援システムは時空を超えて臨床試験を実施できますので、JACCROで行なった国際共同試験に威力を発揮しました。過去15年間に蓄積されたFLADS Systemのノウハウは改良に改良を重ね、他の臨床試験グループでもFLADS Systemが使用されるようになりました。

次にJACCROでは研究参加施設の医師、研究協力者を対象とした研修会(ワークショップ)を毎年実施しており、講義、演習、成果発表などを通じて、臨床試験への取り組みを容易にするための支援をしています。その他、学術講演会、学会時のセミナーなどを広く提供しており、臨床試験に興味を持つ方々への啓発活動も行っています。

一方、昨今の臨床試験を取り巻く不祥事が報道され、その信頼回復のために、JACCROでは新しい倫理指針への対応と法制化に備え、臨床試験実施体制を新薬の治験と同様の厳しい研究実施体制(ICH-GCP準拠)に整備致しました。また、2016年4月に東京都より「認定NPO法人」の認定を取得致しました。認定NPO法人になりましたので、公益的事業を推進するための資金確保のため、寄付を提供する側にも、受ける側にも税制上の優遇措置があり、JACCRO臨床試験の財政基盤を固めるためにも重要なステップをクリアしたと考えています。寄付についてはホームページ内の「ご寄付について」を是非ご覧になり、ご協力を御願いしたいと思います。

JACCROに今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2016年6月 事務局長 藤井雅志