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JACCRO e-Journal no.3(2007/09)

ASCO参加印象記

高知医療センター 化学療法科
辻 晃仁

 2007/6/1-5の会期でThe 43rd American Society of clinical oncology(ASCO) Annual meetingがILLINOIS州CHICAGOで開催されました。
 6月のシカゴはベストシーズンとの事ですが、初夏を思わす汗ばむ日中と、風が吹くと上着を着ていても身震いする寒い夜が印象的でした。

 学会が開かれたMcCormic Placeは数多くの会場と広い廊下が印象的な巨大な建物ですが、3万人を越える参加者のため、通路は人であふれていました。 Oral presentation session会場とPoster session会場との移動でさえ10−20分しっかりかかってしまう状況でした。
 それでも会場には多くの日本人参加者の顔が見られ、ASCOに対する日本人研究者の関心度の高さが感じられました。

 今回、私の最大の関心は、胃癌におけるTS-1を中心とした化学療法、特に8年間をかけて発表にいたったJCOG9912でした。 この臨床試験には、私も共同研究者として参加しており、その結果に対する評価が気になるところでした。 5-FU持続静注に対するTS-1の非劣勢とCPT-11/CDDPの優越性を検証する試験デザインでしたが、TS-1の5-FUに対する非劣勢が証明され、 CPT-11/CDDPは標的病変を有するサブセット解析において優越性が示されました。 これに引き続きTS-1とTS-1/CDDPの比較試験であるSPIRITS試験の報告があり、TS-1に対するTS-1/CDDPの優越性も報告されました。 これら日本よりの2報の報告により、日本の胃癌化学療法のreference Armが5-FU持続静注であるという少し歯がゆい時代に終止符が打たれ、 新たにTS-1を中心とした治療が日本の胃癌化学療法を牽引してゆくことになり(欧米でのTS-1自体の評価はもう少し先のようでしたが)、 今回そのターニングポイントに自分が立ち会うことが出来たことは非常にうれしいことでした。
 次回もシカゴの地でASCO Annual meetingが開催される予定です。

 暑い日中は学会場での熱いディスカッション、冷え込む夜はネオンの少ない街のブルース、ジャズ、major league baseball…
 来年は厚めの上着を忘れないようにしようと、計画中です。


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