JACCRO e-Journal no.2(2007/07) |
がん集学的治療研究財団での経験から
(財)がん集学的治療研究財団
佐治重豊、折田薫三、北島政樹、曽和融生、富永祐民、武藤徹一郎、
塚田敬義、吉野肇一、平川弘聖、坂本純一、山岸久一、安富正幸、
上田智、草野満夫、前原喜彦、戸井雅和、小平進、岡正朗
がん集学的治療研究財団(以下財団)は、胃癌手術後化学療法研究会 (胃手化)からスタートし、1980年に厚生労働省医政局所管の財団法人として、翌年に特定公益増進法人として認可された。 現在までに36余の市販後自主的臨床試験と臨床試験の精度と質向上を目指した施設データマネージャー(DM)の養成、学際部門での一般研究助成、厚労省がん科学研究推進事業等を行ってきた。 その中で、臨床試験は、組織体制をEORTC方式に準拠し、全国から約200名余の先生方に理事・評議員・各種委員会委員として参画・協力頂いている。 設立当時の1981年頃は、年間5,000例以上が無作為比較試験として登録され、7,000例以上の大規模臨床試験が展開されていたので、本邦での草分けとして高く評価している。 なお、財団では昨年度開始した800例と840例の2本の大規模臨床試験は、症例集積が予定を超えて集積されており、「1,000人規模の臨床試験を行う」基盤は熟したと理解している。
さて、市販後自主的臨床試験に限定すると、試験目的は患者の利益のためで、できるだけ実施し易い、複数企業が参加したプロトコールでの試験が参加医師の理解と協力を得やすいと思われる。 勿論、十分な資金協力が必要で、成績発表には、提案者や班長以外に多数症例登録施設を優先すべきで、ASCO追従型ではなく、日本発の独自な研究を展開すべきである(図1)。 組織体制の基本を図2に列記したが、最近の勤務医不足と超加重労働を考えると、医師支援体制の確立が急務である。 また、臨床腫瘍専門医等を中心としたProject Coordinating System下での Core InstituteとBranch Hospital との病-病連携が重要になる。 とくに、医師支援体制として財団でのDMの役割と有用性、DM養成事業の概要を併せて紹介した。 最後に、施行上の課題と提案として。小規模試験グループ(トランスレショナールリサーチ部門、第T・U相試験)と大規模試験グループ(第V相試験)の役割・機能分担を図り、 中規模試験のパイロット研究で有意差が確認されたプロトコールに対し、複数の試験グループが協同参加して大規模臨床試験を実行するinter group studyの構築が急務である。 そのための意見交換会や企画調整会の開催等を提案した(図3)。
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| 図1 | 図2 |
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| 図3 | |
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