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ごあいさつ

日本がん臨床試験推進機構 理事長 高久史麿 日本がん臨床試験推進機構(Japan Clinical Cancer Research Organization : JACCRO)は2002年3月に設立されてから今年で15年目に入りました。JACCROでは癌の専門病院のみでなく、臨床試験に必ずしも慣れていない第一線の病院にもご参加いただいて、臨床試験を実施しています。こうした施設を包括した研究組織を運営維持するためにはJACCROの役割は前にもまして重要となってまいりました。すなわち臨床試験に従事する施設における医師、および研究協力者の教育と共同作業の円滑な管理にJACCROの果たすべき役割が大きいと思います。JACCROでは研究の質を低下させることなく、臨床試験の裾野を広げることを目標に次のような、種々の研究支援を展開しています。 

 第一に、FLADS Systemとよばれるインターネットを介した研究支援システムを開発いたしました。これは研究実施要綱(プロトコール)に記載された研究手順を忠実にプログラム化し、プロトコールからの逸脱が最小になるような工夫を行い、ほぼすべてのJACCROの臨床試験に導入致しました。また、FLADS Systemの操作や事務的作業の介助要員の育成も行っています。こうして医師、看護師その他の研究協力者と協調して、なるべく正確に臨床試験が進捗できるシステムを開発致しました。このような支援システムは時空を超えて臨床試験を実施できますので、JACCRO GC-03(START TRIAL)の日韓共同研究のような国際共同試験には威力を発揮しました。過去15年間に蓄積されたFLADS Systemのノウハウは改良に改良を重ね、タクトシステムズ株式会社 を介して非常に安価に他の臨床試験グループに提供できるようになっています。

次にJACCROでは研究参加施設の医師、研究協力者を対象とした研修会(ワークショップ)を毎年実施しており、講義、演習、Presentationなどを通じて、臨床試験への取り組みを容易にするための支援をしています。その他、学術講演会、学会時のLuncheon や Evening seminarなどを広く提供しており、臨床試験に興味を持つ方々への啓発活動も行っています。
 がんの臨床試験は、標準治療を確立するためのエビデンス(科学的根拠)を作るために行われます。質の高い、効率的な臨床試験の実施とその成果を収集するには更なる強力な研究支援が必要であり、JACCROがこの分野で果たさなければならない課題は山積しています。

一方、昨今の臨床試験を取り巻く厳しい社会環境に適切に対応し、社会的に意義ある臨床試験の遂行を全力で支援しなければならないと考えています。
そのため、JACCROでは倫理指針への対応と法制化に備え、臨床試験実施体制を組織変更も含めた対応をとることによりICH-GCP準拠に整備を致しました。
また、2016年4月に東京都より「認定NPO法人」の認定を取得致しました。認定NPO法人になりましたので、公益的事業を推進するための資金確保のため、寄付を提供する側にも、受ける側にも税制上の優遇措置があり、JACCRO臨床試験の財政基盤を固めるためにも重要なステップをクリアしたと考えています。
引き続き、皆様の温かいご支援とご協力をお願いいたします。

2016年6月
日本がん臨床試験推進機構
理事長 髙久史麿